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2009年 12月 12日
大阪、岡山ともに二度目なりますが、二つとも濃厚な出逢いがありました。
・まずは大阪・シネヌーヴォXにおいて12月4日(金)、『紅葉』(山崎樹一郎監督)・『夜光』(桝井孝則監督)公開レイトショーの最終日に特別上映。 『夜光』は、映画ファンからの絶賛・前評判なのか、大満員! 都市で生きる若いカップルの、労働と生活に対し、心の底に沈殿していく思い―そして抵抗。きめ細やかな言葉で紡がれるこの中篇は『紅葉』へのある種のアンサーとして撮られたものだと言葉がありましたが、それに収まらない遠大な問いを包み込む、スケールの逆に大きな映画であったと思います。 終映後、3監督と山崎支配人とによるトーク。 客席におられた葛生賢監督から、3作品とも「ここ」と「よそ」といった2つの場所の描かれ方―それは3作とも程度が違うのだが、それが映画の会話を織り成す方言と絡み合い、映画を形作る要素となっている―と指摘を受け、3者それぞれが考える場所、言葉についての話となりました。 ティーチ・インにおいては、若い映画制作・俳優の方から『へばの』について熱い言葉を頂きました。 ―中でも客席にちらほら混じられていた、大阪在住のドキュメンタリー作家・布川徹郎さんと現在活動を交錯している方々―今年山形国際ドキュメンタリー映画祭に参加されていた佐藤零郎さんもいらっしゃいました―とは、来春また上映活動で場を交錯できそうです。大阪・長居公園のホームレス撤去や千里ニュータウンを追い続けた彼らの正にビデオ・アクティビティと呼ぶべき活動―いま上映を目前に沸点を迎えている気がします。なにやらあちこちで、若手の磁場がグツグツとたぎっているのを感じます。 そのまま、 ・12月6日(日) 岡山・真庭「ひしお」へ。 ここでは、『へばの』『紅葉』『長江に生きる』の三本立て―その土地で生きる者、がテーマの上映会―cine/maniwaの第7回の上映会にして―「いきる」です。大阪で映画上映に携わっていた黒川愛さんが仕掛け人です。 前日に合流された『長江に生きる』音響設計の菊池信之さんもゲスト参加。 ―映画は、各スタッフが持ち込むものによって次々とイメージされていたものが塗り返され、更新されていくべきものだ―と語っていた菊池さんの、音響についての話をトークで聴きながら、最後、 『紅葉』『へばの』双方スタッフにより、これから映画をつくって自前で、撮った土地で上映していくことについて、議論を重ねました。 場には、岡山市から駆けつけてくださった批評家・鎌田哲哉さんご夫妻もいらして下さって、東京の中央集権には依存しない独自の制作・上映について話しました。 『へばの』は現実の音と、芝居の音とのバランス―重なり合いがよかった、と褒めて頂いた菊池信之さん、今年年末にこの岡山・真庭で、桑原広考・加納一穂・岡本隆 両作プロデューサーがプロデュース、そして山崎樹一郎が監督を務める新作『陽光』に参加して頂く予定です。 『へばの』からも、照明、録音、制作スタッフが参加します。 岡山でも新たな火種が生まれそうです。 cine/maniwa
by hebano_goodbye
| 2009-12-12 03:40
| レポート
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