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2009年 09月 21日
![]() よく晴れた秋の休日の夕方に、ご来場頂きました多くの方々、本当にありがとうございました!渋谷UPLINKでの『へばの』上映は初めてですが、また違った客層の方々にお逢いできたと思います。 今回声をかけて頂いたのは、今年2月に『へばの』と公開時期を同じくして、UPLINKで8週間のロングラン上映を終わらせた『今、僕は』の竹馬靖具監督。23歳での本初監督作では、主演も務めている、一見いろいろなプロフィールがベールに包まれている竹馬監督。「とにかく重い映画だった、いろいろ観終わった後で話したいと思ったので」と『へばの』に合同上映のオファーをかけてくれたのです。 ![]() 2本の映画を上映したあと、残ってくれたお客さんを相手に木村・竹馬によりトークを行いました。まずは、竹馬監督のこれまでの経歴について。高校を出てすぐに上京し、フリーターをしながら東京で役者を続けていたと監督。やがて色々な出演を経験するうち、演出家が役者に「物まね」をさせる演出に苦しさを覚えるようになり、ダルデンヌ兄弟との出逢いによって、映画を初めて撮ろうと決意する。 その初監督作は、竹馬監督の出身である栃木県足利市の街一帯によって撮影されることになった。本トークによって初めて聴くことになった、監督の”栃木”という東京周辺の地方都市に対しての複雑な思いが浮き彫りになっていく…。 加えて木村から、「『今、僕は』といい『へばの』といい、主人公が脆弱で魅力が弱い。いま映画を撮ろうとするとき、そういった主人公を選ぼうとするのはどうしてなのか?」と問いを発し、竹馬監督は、”悟”という登場人物が自分と重なるところもあり、また、今でも動向が気になる昔からの知人を思い描いた、と語る。 つづいてお客さんにティーチ・インを振り、結構驚いてしまったことが、『へばの』も『今、僕は』もリピーターの方が多いということだった。「今回さらに観て、こういったことに気付いた」とかけて下さる言葉も多かった。 竹馬監督は「この映画はニートという社会問題を提起することを目的としては始まっていない」と発言されたが、『へばの』は被曝といういったことに対してどう接して映画がつくられたのか。 東京が映ることの意味、など、質問が出され、 トークは両監督の次回作にまでおよんだ。 竹馬監督は「次は自分は出演するつもりはないが、今度は都市で、男と女とが出逢う話を撮りたいと思っている。」と語った。「それはある意味、『今、僕は』の続編ともいえるような、つながっているもの」と。 気がつけば一時間にわたって延長されたトーク終了後、 本日来場してくださった、先日『モグラ町1丁目』公演を終えたばかりの前川麻子さん、小形知巳さん、そして吉岡睦雄さん、TOKYO FILMEX 森宗さん、映画監督の真利子哲也さん、松村浩行さん、キャメラマンの高橋哲也さん、俳優の津和孝行さん達と打ち上げ。 両作に共通する、親についての描き方についてなど、厳しいですが本当目が覚めるような意見を頂きました。それは映画についてというより、自分がいかに人と生きてきたのか、を問いただされるような時間でした。 長時間にわたりお付き合い頂いた皆様、本当にありがとうございました。 2週間後には、大井町でまた別の方々にお逢いできることを楽しみにしています。
by hebano_goodbye
| 2009-09-21 20:32
| レポート
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