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2009年 04月 28日
大学の中はピンクに染められ、ドイツの大学生で大賑わいになっている。 その中心に、到着したばかりの日本人監督が、熱気にアテられながら夕食を取る、といったもよう。 食堂で『桃まつり~KISS!』の別府裕美子監督(『クシコスポスト』)、矢部真弓監督(『月夜のバニー』)と遭遇。東京で公開を終えたばかりのお二人は今回、ドイツでの上映に立ち会うため、そのまま駆けつけたのだという。最安の航空券を取り、食事もそこそこに僕のお連れの大阪在住のディレクター・田中健詞監督や、礼監督とすかさず挨拶をかわすお二人の行動力に脱帽。 そのままオープニングに出て、満場の客席で上映される『トウキョウソナタ』を見届けながら、その日は早めに駅前のホテルへ退散。 別会場へ去った礼さんがあとで呑もう、と言ってくれて連絡を待っていたが、海外で何の電話準備もしていないため、当然ながらいつも使っている携帯は間抜けに圏外を示したまま。どうしようもない。アゼンとし、冷蔵庫もついていないホテルの一室で崩れる。 次の日は快晴。 ゲストリレーションの眞一さんと、アテンドのドイツ人の方と、桃まつりのメンバー、田中監督と、フランクフルトを徘徊する。 古い建築物がいい形で残っている駅前をしばらく行き、カトリック、プロテスタントの教会が立ち並ぶ中心街へ。眞一さんいわく、中世時代に北海道でいう「五稜郭」のように星型に城が建築されたこの辺りにはその名残が残っていて、星型に建築物が今も建っている。 昼、マイン川を渡ったはずれの料理屋で、「血で出来たソーセージ」「屠殺皿」といった物騒な名前の料理を囲み、メンバーでアップルワインを飲む。ここは日本で言う、下町にあたるドイツの味なんだとか。 そのまま会場へ。 桃まつりの映画作品を鑑賞。ナント大満員。大勢のドイツのお客さんは、桃まつりから寄せられた3本の作品を、悲鳴、笑い声、まじえながら観賞する。なんというか、ヒフからちくちく感じ取れる嬉しい反応。 監督お二人のティーチ・インも堂に入ったものだった。 この日もホテルに戻って、隣のピザ屋でパンを買って、あえなく撃沈。 (木村文洋) #
by hebano_goodbye
| 2009-04-28 00:47
| レポート
2009年 04月 27日
4/15(Wed)
ドイツ・フランクフルト ニッポンコネクションに行くべく、成田空港を立つ。 『へばの』海外上映はエジプト・オランダにつづき3度目、3度全部に立ち会ってきたが、さすがに今回でしばらく海外上映は見納めになりそう。 ニッポンコネクションは、今年9回目を迎える、ドイツ・フランクフルトで日本映画を総力特集する変わった映画祭といえば映画祭で、4年ほど前にCO2で映画を撮った、関西の友人の映画監督・制作者も参加しているので、一度参加してみたい映画祭だった。 今回は、ディレクターのアレックス・ツァールテンさんが『へばの』を推奨してくれて、Nippon Digitalという部門で上映してくれる運びとなった。 ニッポン・コネクションhttp://www.nipponconnection.com/nippon-2009/index-jap.html アレックスは日本語も流暢なナイスガイの36歳。20代に見えるほど若々しい。 日本に在住もかつてしており、日本文化・日本映画への探求がとても熱心な方。 特に最近は、ピンク映画の研究・特集に力を注いで、ここ数年は多数の監督が訪れた。『へばの』の吉岡睦雄さんも数年前にこの映画祭に参加している。 年間500数本の日本映画を観て、映画祭ディレクター仲間の2人と、紹介したい日本映画を決めるのだという。『へばの』は、具体的なもの(社会性とか背景とか)と、抽象的なもの(大枠のテーマとか)とのせめぎ合いが面白く、上映してみたいと思った、と語ってくれた。 そして今年はナント『紅蓮華』(役所広司・秋吉久美子)などで有名な重鎮・渡辺護監督(監督作数300本!)が来独されるらしい…という噂を聞いていたが、出発する空港でいきなりお会いしてしまった。 渡辺監督の傍らには、新作『や・り・ま・ん』を引っさげてきた坂本礼監督。僕が21歳の頃、ピンク映画の上映トーナメントP-1のスタッフをして以来、ずっとお世話になっている先輩。 『紅蓮華』での俳優との葛藤を渡辺監督から聞きながら、あの沸騰していた時代に映画に生きていた人は、やっぱりオーラが違うなあ…と思う。 飛行機乗ってからは爆睡。 今回も片道、12時間ほどかかる。 気付けば、同じ飛行機内には若い日本人の男性が、ちらちらしいている。 ドイツにやっと降りる。 日本人のコーディネイターの方の周辺に集合すると、同じ便に乗っていたニッポンコネクションの参加者がじつに多い。道中、話と挨拶とを交わしてみれば、東京の造形大学を卒業したばかりの方や、大阪でCM製作などをしながら映画を続けてらっしゃる方など、さまざまにインディペンデントで映画制作を続けている方達が集まっている。 みな、自費でドイツを訪れ、上映に立ち会おうと今回訪れたのだと言う。 その中で、同じ便に乗っていた熊切和嘉監督にご挨拶。6年ほど前に一度だけ、僕が学生の頃運営に関わっていた京都国際学生映画祭のゲストでお世話になったことがある。あれから6年も経つのか、と思った。 そんなこんなで、これまでの海外上映と違い、日本の色々な監督さん、俳優さんと一緒なので、なんだかほっとする。 空港の外では、ドイツの沢山の若い大学生さんが迎えてくれる。 聞けば映画祭のボランティアスタッフなのだという。 本当に多い人数。 そのまま、大人数で会場へと向かう。 会場は、フランクフルト駅から近い大学だった。 夜8時だというのにまだ日が暮れないし、大学生がたくさんいる。 (木村文洋) #
by hebano_goodbye
| 2009-04-27 02:02
| レポート
2009年 04月 26日
昨夜、4.26 vol.2 オールナイトが終了しました!
多数ご来場頂きました皆様、本当にありがとうございました! チェルノブイリ原発事故の発生日である4月26日に”原発”をテーマにしたオールナイト映画上映企画、「4.26オールナイト」。 2008年度よりポレポレ東中野で開始され、第2回目となる今回は、 ①『祝の島(ほうりのしま)』―”日本最後の原発立地”が計画され、二十数年反対運動が続いている山口県祝島の現在を描く―『祝の島(ほうりのしま)』 http://holynoshima.blog60.fc2.com ―現在制作中のラッシュを、纐纈あや監督による解説つきで上映。 ②『ドキュメント'89 脱原発元年』―土本典昭らと『医学としての水俣病』を手がけ、『人間の街』『いのちの作法』などで知られるドキュメンタリー作家、小池征人の1989年の日本の原発の記録。 ③『へばの』 ④『ナージャの村』―チェルノブイリ原発事故でもっとも汚染されたベトカ地区のバーブジェ村に残る、家族の記録。現在、ポレポレ東中野にて最新作『バオバブの記憶』公開中の、本橋成一監督作。 …というラインナップ。 祝島から、上関原発反対運動のリーダーを務められる山戸貞夫さんも駆けつけられ、心温まる纐纈あや監督の挨拶、解説のお声からスタートし、ここ20数年―、いや20数年に終わらない、日本・海外の、原子力と人との歴史とを観続ける一夜でした。 その一点にぽつん、とある『へばの』。 1989年から20数年経った六ヶ所村に、つくり手が目と想像力を絞って立たせた、家族の物語。 公開中に観たものとはまた違ったものに映ったかもしれません。 最後は『ナージャの村』における、厳しすぎるが、それでも美しすぎる少女と風景とを浴びながら、朝を迎えた…そんな感じでした。 『祝の島(ほうりのしま)』は現在撮影中、本年~来年度には完成、公開予定だそうです。 ナント、ポレポレ座の中植きさらさんも、製作デスクとして参加されているのですね。 http://holynoshima.blog60.fc2.com 纐纈あや監督、本橋成一監督、そして多くのお客様、お話してくださってありがとうございました! 『祝の島』の誕生、心待ちにしています。 (木村文洋) #
by hebano_goodbye
| 2009-04-26 22:13
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