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2011年 04月 30日
※2009年、東京・ポレポレ東中野での公開時にお寄せいただいたリレーブログを再掲載します。
吉川正文(映画配給・宣伝) 向こう見ずな精神は、時代のうねりの中で、時に大きな変革の原動力になることがある。たとえ後世歴史を振り返ったときに、まるでその存在がなかったかの如く語られたとしても、時代を動かした名もなき者たちは確かにそこに存在した。 映画は今長い過渡期の途上にある。フィルムからデジタルへ、スクリーンからDVDへ、商業主義から個人主義へ・・・等々。早晩、映画はその定義が曖昧になり、かつて誰にとっても自明のものであった映画が、もはや原型をとどめなくなり、それはもはや何と呼べばよいのかわからない「何か」に変態するだろう。これから映画がどこへ行き、どんな形態を見せるのか誰にも分からない。 だからこそ今、映画は向こう見ずな精神の持ち主を必要としている。向こう見ずな精神の持ち主は、冷静な判断力や状況分析能力は持ち合わせてないかもしれない。しかし時にその猪突猛進的行動力と情熱で、閉塞した状況を突き破る恐るべき破壊力を生み出す。 私の知っている木村文洋は、正真正銘向こう見ずな精神を持つ男である。そんな彼の周りに集まったスタッフも同じく向こう見ずな連中である。そして彼らは、この純度100%の向こう見ずな精神で『へばの』なる映画を作り上げ、観客の前にやってきた。 だから観客もまた、あれこれ考えずに向こう見ずな精神でもって劇場へ駆け込み、この映画に対峙するしかない。 ![]() ************************************ 『へばの』英語字幕版上映+USTREAM 同時配信 2011年5月15日(日)モーニング&レイトショー上映 ◎モーニングショー 【開場】 10時30分 【開映】 11時00分〜 【座談会】 12時45分〜 【会場】 光塾 COMMON CONTACT 並木町(東京都渋谷区渋谷3-27-15 光和ビルB1) ※上映終了後に休憩をはさみ、その場で、参加を希望される方々と、監督・スタッフにより座談会を一時間程度行いたいと思います。参加は無料です。 ◎レイトショー 【開場】 20時50分 【開映】 21時10分〜 【会場】 オーディトリウム渋谷(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F) 【各回入場料】 予約:1,000円 / 当日:1,200円 【ご予約・お問い合わせ】 E-mail:teamjudas@ss.lomo.jp ※各回共、映画上映と同時にUSTREAM 配信を行います。 www.ustream.tv/channel/hebano-goodbye ※経費を差し引いた収益の全額を被災地の義援金として寄付、もしくは物資を購入して届ける予定です。 送付先、届け先に関しましては現在検討中、終了後に会計収支とともにをHP上で報告します。 #
by hebano_goodbye
| 2011-04-30 18:47
| その他
2011年 04月 29日
※2009年、東京・ポレポレ東中野での公開時にお寄せいただいたリレーブログを再掲載します。
戸田光啓 ( シネクラブ「映画侠区」代表・「Cinématographe Battle Royal PROJECT」アドバイザー) 映画作家に必要な才能をいろいろな人がいろいろに申しますけれども、最も重要なものは「出会い」の才能ではないかと思っています。 それは別に実力者とか有力者に上手く出会ってしまうというようなことではなく、人でも映画作品でも、ある一つの出会いが自分の人生にとって極めて重要であると気付くような才能のことを言おうとしているのですが、その意味までは分からなくていい、意味を探求するのは宗教にまかせれば良いのであって、そうではなく、ある直感のようなもので、ああ自分はこの出会いからきっと多くを学ぶのだ、重要なのだ!これは!!!というようなことに気付く才能を持っているか否かだと言いたいのです。何か一本の映画作品に出会う、それで終わる人もあれば、そこから映画そのものに出会って、夢中になっていく人もあるでしょう。そして時々、もっともっと、とことん行ってしまって、映画を介して人にも出会うというような人が現れるわけです。 映画を撮り、上映しようなどと考えますと、映画は多くの人が関わって作るものですから、たくさんの人と出会う必要がある。ということは出会っていながら、その出会いの重要さに気付かずにスルーしていたら、映画なんてとっても出来ないし、ましてや上映は全くありえないでしょう。そこで“木村文洋”という人のことなのですが、あの年世代でしたら、ちょっと近頃ないくらいに、そうした才能に恵まれていると私は思います。彼には師とか先生とか友人とか悪友とかワイルド・バンチとかいった方がたくさんおいでですし、またその人達との出会いをとても大切にしている、そういう人だと会えばいっぺんに分かります。その故にどんどん“木村文洋”の映画作品を作ろう!と手伝って下さる方が増えていったのですね。何かをしたくなる、何かをさせる人、それが“木村文洋”です。 『へばの』を実現していく過程、京都、大阪から東京へ、東京から青森へと、どんどんそうなっていくのが非常によく分かりました。そうしますと、大阪から東京へ彼を送り出した格好になっている私達が、もっとこの人を大きくしてやろうじゃあないか!と思った場合にどうしたら良いのだろうかと考えてみますと、これはもうもっともっと、次々と「出会い」を用意するということなのではないか?となりますね。これからもっともっと“木村文洋”を大きくしてくれる出会い、それはもう「映画ファン」との出会いしかない!一人でも多くの(しかもそれは現在のだけではなく、未来の、潜在的な意味も含めての)「映画ファン」に出会わせてあげたい、それが大阪での上映を準備する私達の偽らざる気持ちですね。 ![]() ************************************ 『へばの』英語字幕版上映+USTREAM 同時配信 2011年5月15日(日)モーニング&レイトショー上映 ◎モーニングショー 【開場】 10時30分 【開映】 11時00分〜 【座談会】 12時45分〜 【会場】 光塾 COMMON CONTACT 並木町(東京都渋谷区渋谷3-27-15 光和ビルB1) ※上映終了後に休憩をはさみ、その場で、参加を希望される方々と、監督・スタッフにより座談会を一時間程度行いたいと思います。参加は無料です。 ◎レイトショー 【開場】 20時50分 【開映】 21時10分〜 【会場】 オーディトリウム渋谷(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F) 【各回入場料】 予約:1,000円 / 当日:1,200円 【ご予約・お問い合わせ】 E-mail:teamjudas@ss.lomo.jp ※各回共、映画上映と同時にUSTREAM 配信を行います。 www.ustream.tv/channel/hebano-goodbye ※経費を差し引いた収益の全額を被災地の義援金として寄付、もしくは物資を購入して届ける予定です。 送付先、届け先に関しましては現在検討中、終了後に会計収支とともにをHP上で報告します。 #
by hebano_goodbye
| 2011-04-29 18:43
2011年 04月 28日
※2009年、東京・ポレポレ東中野での公開時にお寄せいただいたリレーブログを再掲載します。
わたなべりんたろう(ライター) ダルデンヌ兄弟の新作や「レボリューショナリー・ロード」と並んで、早くも今年のベストが登場。 監督がやろうと思ってできなかったことも含めて、映画ならではの「何か」が蠢いている。必見! * 志田歩(ライター・ミュージシャン) セリフやテロップでの過剰な説明を、なるべく排除し、解釈の自由を持たせた映像の力で、登場人物の心情を想像させるストイックな脚本。そして主人公達のやり切れない心情を、ドラマチックに訴えかけてくる安全地帯のヒット曲「恋の予感」。こうした点で「へばの」は、実にまっとうな映画的手法を駆使して創られた作品だ。 だが後半30分で、この作品はそうした既存のフォーマットに突如として牙をむき、逸脱していく。 今までに無いものを生み出したいと望むクリエーターにとって、既存のフォーマットは、呪縛のようなものかも知れない。しかしそのしがらみは、単に無視しただけで乗り越えられるわけではない。 木村文洋は、慎重に狙いを定めたスナイパーのような確実さで、映画のフォーマットという重力から逃れ、果てしない高みを目指す。 価値紊乱的な冒険者のデビューに祝福を!! ![]() ************************************ 『へばの』英語字幕版上映+USTREAM 同時配信 2011年5月15日(日)モーニング&レイトショー上映 ◎モーニングショー 【開場】 10時30分 【開映】 11時00分〜 【座談会】 12時45分〜 【会場】 光塾 COMMON CONTACT 並木町(東京都渋谷区渋谷3-27-15 光和ビルB1) ※上映終了後に休憩をはさみ、その場で、参加を希望される方々と、監督・スタッフにより座談会を一時間程度行いたいと思います。参加は無料です。 ◎レイトショー 【開場】 20時50分 【開映】 21時10分〜 【会場】 オーディトリウム渋谷(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F) 【各回入場料】 予約:1,000円 / 当日:1,200円 【ご予約・お問い合わせ】 E-mail:teamjudas@ss.lomo.jp ※各回共、映画上映と同時にUSTREAM 配信を行います。 www.ustream.tv/channel/hebano-goodbye ※経費を差し引いた収益の全額を被災地の義援金として寄付、もしくは物資を購入して届ける予定です。 送付先、届け先に関しましては現在検討中、終了後に会計収支とともにをHP上で報告します。 #
by hebano_goodbye
| 2011-04-28 00:24
| その他
2011年 04月 27日
※2009年、東京・ポレポレ東中野での公開時にお寄せいただいたリレーブログを再掲載します。
忘年会で『へばの』 若木康輔(ライター) 「映画芸術」サイト版のレギュラーが割となし崩しに映芸ダイアリーズを名乗り出して半年、本誌のベスト/ワーストテンに参加が決まり、忘年会で合議することになった。深田晃司は風邪で欠席なので、枠を二本ずつ残しておこうじゃないですか、ああ、それはいいね、と紳士的に取り決めてから始めたのだが、面白いほど揉め、揉めるとますます面白くなり、数時間後にはみんなが同じ口で『東京人間喜劇』は入るんだから少し枠を減らしてこっちに寄越せ、本人も文句は言わねえだろと勝手に決めたりして、なんだかテキトーで愉快だった。 『へばの』がひとしきり話題になったのは、選考がそろそろ一段落しかけた午前三時。メンバーの加瀬修一が宣伝で関わっていることが大きかったはずだが、ちょうど多忙の最中だった当の加瀬が疲労とアルコールでガクッとテーブルに突っ伏した後から『へばの』はああだこうだと始まったのだから、お互い、効率が悪いと言えばずいぶん悪い。 「僕はノレませんね。不満ですよ。どういうところがかは、ハッキリ書きますけど」と、近藤典行。「ラスト十五分からの、どんどんタガがはずれる感じが良かったよ」と金子遊。二軒目に移ってからか前後不明だが「バスター・キートンの孫娘が出ているエロ映画、ご存知ですか?」とどっちにしても無関係な事を囁いてきたCHIN-GO!。僕はどんなことを言ったのだっけ。同じ青春映画でも最近はやたら元気な〈青春真っ盛り映画〉が多いから、久し振りに〈青春訣別映画〉を見たような懐かしい気持ちだったよ、「恋の予感」が流れるとジンときたのって僕にはそういうことだった、とか何とか。真っ白い雪のなか喪服で再会なんてサ、色彩設計が『シェルブールの雨傘』みたいでなかなか……と、試写の後に監督とプロデューサーに伝えた感想をまた繰り返したかもしれない。 「でもまあ」と、編集兼司会兼幹事の平澤竹織がやんわり口を挟んだ。「『へばの』は〇九年の公開になりますから。みなさん、話題にするのはまた改めて」 それはそうでした、と納得した頃にはもう朝方で、ノッソリと加瀬修一が目を覚ました。もともと演劇畑育ちで礼儀のしっかりした男だから、酒の席で一人寝てしまうのは恥ずべきことらしく、やたらと恐縮するのである。いいじゃないの、いいじゃないの、疲れてるんなら寝たっていいじゃないの、と言いながら新宿駅で一同眠たそうに解散。結局、宣伝を手伝ってる人に感想をみんなして伝えそびれた忘年会だったという、かなりの余談です。 ![]() ************************************ 『へばの』英語字幕版上映+USTREAM 同時配信 2011年5月15日(日)モーニング&レイトショー上映 ◎モーニングショー 【開場】 10時30分 【開映】 11時00分〜 【座談会】 12時45分〜 【会場】 光塾 COMMON CONTACT 並木町(東京都渋谷区渋谷3-27-15 光和ビルB1) ※上映終了後に休憩をはさみ、その場で、参加を希望される方々と、監督・スタッフにより座談会を一時間程度行いたいと思います。参加は無料です。 ◎レイトショー 【開場】 20時50分 【開映】 21時10分〜 【会場】 オーディトリウム渋谷(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F) 【各回入場料】 予約:1,000円 / 当日:1,200円 【ご予約・お問い合わせ】 E-mail:teamjudas@ss.lomo.jp ※各回共、映画上映と同時にUSTREAM 配信を行います。 www.ustream.tv/channel/hebano-goodbye ※経費を差し引いた収益の全額を被災地の義援金として寄付、もしくは物資を購入して届ける予定です。 送付先、届け先に関しましては現在検討中、終了後に会計収支とともにをHP上で報告します。 #
by hebano_goodbye
| 2011-04-27 12:01
| その他
2010年 05月 12日
![]() 5月8日、大阪・シネヌーヴォXにおいて『NDU+NDS ~彷徨する魂を追う~』上映に『へばの』招待参加してきました! 今回声をかけてくださった『中村のイヤギ』監督の張領太(チャン・ヨンテ)監督は、若干27歳のNDSメンバー。NDUで70年代~80年代を縦横断してきた布川徹郎さんと、そもそも昨年3月に大阪へ『へばの』上映を観に来てくれたのがきっかけとなります。 「核が、オバマによる欺瞞的な縮小と、エネルギー利用との間で矛盾提示されている現在において、非常に不穏なメッセージを持つ映画」と布川氏の言葉をその場で頂き、またヨンテ君からは「こうした題材を扱った映画を各地で上映したり、賞賛も映画祭で受けながら上映していくことについてどういった思いがあるか」と鋭い質問を受けたのでした。 僕は「そこには出来るだけ上映の場に足を運んで、人と対峙することで乗り越えていくしかない」と応えたのですが、今回呼んで頂いた理由がなんとなく会場について分かりました。 『長居青春酔夢歌』(佐藤零郎監督)からの上映だったのですが、まず上映後のティーチ・インが本当自然な形で議論へと入り、映画が鏡となってサイがすぐに投げられていく感じがあるのです。お客さんからの意見交換も自然になされます。 映画が作品として完結しているのではなく、非常に広がりのある未完のものとして広がっていくのを感じました。監督達も何よりそれを望んでいる、と。 そして『へばの』上映当日。 大阪は昨年からつづき3度目の上映というのに、今日もほとんど満場です。 NDSメンバーの宣伝力も凄いのですが(平日だというのに、ほぼ満員!)、まだ関西圏で『へばの』を観て下さっていない方、またリピーターの方も少なからずいらっしゃるようです。 そして上映後のNDSメンバー・佐藤零郎(レオ)、梶井洋志、張領太、中村葉子らとの座談。 これからドキュメンタリーからフィクションにむかって現実を描いていく、という彼らと、主人公・紀美と治との関係から、それぞれの作家がいま上映している作品についてどう振り返っているか、などを話しました。 現在は釜ヶ崎に事務所を構え、次回フィクション長編の準備を進めているというNDSメンバー。 6月には数本のみ、東京neoneo坐で上映もありますが、真に現在最前線の集団と思います。 必見! NDU+NDS blog 【東京】 neoneo坐 6/13(sun) 流浪の映像まつり 温故知新 ●6月12,13,19,20日 2週間にわたり開催 ●プログラム数 13プログラム ●参加作家 長岡野亜、佐藤健人、今田哲史、枡野浩一、品田竜輔、安田哲、青柳知之、村上康人、工藤義洋、歌川恵子、竹藤佳世、かわなかのぶひろ、中村のり子、清川玲奈、高野徹、鈴木野々歩、菅原みき、園部典子、佐藤零郎、石田未来、張領太、青山佳世 ●当日入場料 1プログラム1000円 ●精算 当日、プログラムごとの精算 ●前売り券 1プログラム 900円 当日の2日前までの受付販売 (問い合わせ:温知倶楽部 onchiclub87@yahoo.co.jp) #
by hebano_goodbye
| 2010-05-12 00:30
| レポート
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